2008年8月21日(月)「しんぶん赤旗」
米軍再編・基地強化 広がる反対運動<座談会>@
日常生活の隣に戦争/米司令官ピリピリ/未来ある運動にわくわく
全国の連帯が大きな力に
いま全国各地で米軍基地の再編強化に反対するねばり強いたたかいが党派を超えて広がり、日米両政府を追い詰めています。たたかいの現状と特徴、展望について日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、大西明子同岩国市議会議員、鴨居洋子キャンプ座間周辺市民連絡会代表委員、小泉親司党中央基地対策委員会責任者(司会兼)が語り合いました。
小泉 日米両政府による米軍再編・最終合意が二年前の五月に結ばれて以降、全国で大きなたたかいがすすんでいます。二年経過した今日にいたっても、合意どおり計画がすすんでいないことが非常に重要だと思います。それは国民が「これ以上の基地強化は許さない」と強行をくい止めていることです。
七月十三日には、猛暑のなか「原子力空母の配備を許すな 7・13全国大集会in横須賀」が開かれました。三万人以上が結集し、活気にあふれた集会でしたが、まず現地の鴨居さんからお話しいただきたいと思います。
高まる意識
鴨居 二〇〇六年に、米海軍横須賀基地への原子力空母ジョージ・ワシントンの配備阻止と米軍再編「合意」の撤回をかかげた「7・9首都圏大集会」を横須賀市で開きました。その成功が横須賀での住民投票条例制定を求める署名運動のきっかけになりました。今回は北海道から沖縄まで文字通り全国から大勢集まって、すごく励まされました。
現地では署名運動の共同行動が広がっていて、今回の大集会にはそういう人たちも参加しました。住民投票条例制定を求める運動のなかで、住民の意識もすごく変わってきたと思います。私も署名運動に何回か行きましたが、駅前で机を置いて署名をよびかけていると、電車を降りた人が寄ってきたり、住宅を訪問すると印鑑を持ってでてくる。こうした活動の結果、○八年には〇六年の住民投票を一万人以上上回る署名が集まりました。そういう形で住民の意識が高まったことが、集会成功の要因になったと思います。
市民を観察
赤嶺 この間、衆院外務委員会で、米軍座間基地と横須賀基地の調査をやったとき、横須賀のケリー司令官が「あの集会は横須賀市民は少なかった」と言うんです(一同笑い)。私が「それは怒りが全国に広がっているということだ。横須賀での世論の広がりもわかるだろう」と言うとね、二回の住民投票条例請求の署名数を正確に言うのでびっくりしました。彼らは、ものすごくピリピリして横須賀や座間の市民の運動を観察しています。ほんとに世論を気にしているなと思いました。
鴨居 集会参加者の感想で、原子力空母の危険性を初めて知って「もっと知らせなきゃいけない」という神奈川県内の人、基地を見て「日常生活のすぐとなりに戦争映画を見ているような場面が急にでてきた」という東京の人がいました。原子力空母配備の危険性が一まだ知られていないので大いに訴えていく必要があると思います。
7・13集会には座間、相模原からバス十台で参加しました。米軍再編の要といわれる横須賀・座間両方でがんばってとりくめてよかったと思っています。
反対は6割
大西 〇六年三月の米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転の是非を問う住民投票以来、私たちはきびしいけれども楽しい、未来がある運動にわくわくしています。米軍再編反対の一点で運動がすすみ、ことし二月の市長選では前市長の井原勝介氏が千七百八十二票差で敗れましたけれども、一致点でがんばろうというのがずっと続いていて、たいへんやりがいを感じています。住民投票を実施したことで市民が民主主義とは何かを考えることができたのではないかと思っています。住民投票は、全有権者の過半数の51・3%が移転に反対しました。市長選挙の出口調査をふくめて、これまでの世論調査では「移転反対」が六割で、「民意」はまったく変わっていないことがはっきりしています。
赤嶺 沖縄のたたかいは、六月の県議選で新しい段階を迎えました。与野党の力関係が逆転しました。二十六対二十二で中立も入れて野党多数。日本共産党一が三議席から五議席に伸ばして野党第一党になった。これで県民の怒りの声が県議会に届けられる、そういう力関係が生まれたわけです。
県議会で名護市辺野古への米海兵隊新基地建設に反対する決議が初めて、採択されました。米海兵隊普天間基地に代わる新基地建設を決めた一九九六年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意以来、名護市への新基地建設でどの世論調査でも賛成が反対を上回ったことはないんです。つねに反対が多数でした。県民世論にてらせば、県議会の決議は当然のことです。
いま、米政府の口ぐせは「SACOの失敗をくり返してはならない」なんです。SACO合意での辺野古の新基地建設は失敗したわけですよ。米軍再編で辺野古への新基地建設ができなければ、パッケージだから座間だってだめになると。岩国への空母艦載機移転もだめになると言っていて、「日米同盟は漂流している」といらだっています。
小泉 そうなんです。米政府高官は、今回の米軍再編について「一本の糸を抜けば全体がほどける」と言って、全体の計画がひとつのパッケージになっていると発言しています。ですから全国的連帯のたたかいが基地強化をくい止める大きな力になります。
2008年8月22日「しんぶん赤旗」
米軍再編・基地強化 広がる反対運動<座談会>A
基地被害がまんも限界
空母火災に
鴨居 原子力空母ショージ・ワシントンの火災事故や、横須賀での米兵によるタクシー運転者殺害事件かあいつぎ、私たちは7・13大集会参加のとりくみとあわせて、政府や横須賀市に抗議に行きました。住民の安全よりもアメリカのほうを向いている日本政府の姿勢か本当によくわかる。火災事故に対して「安全性が確かめられるまて配備するな」となぜ言えないのかと思います。「すぐに事故を通報していただいた」という外務省の言い方には、本当にどこを向いているのかと言いたい。日本政府の姿勢では国民の安全は絶対に守られないと思いました。7・13大集会はそのことも知らせながら参加をよびかけて成功したので、これからの運動に大きくつながると思っています。
だまされた
大西 二〇〇六年四月、合併による岩国市長選て井原氏か圧勝しましたが、議会の構成が変わって、移転容認派が二十二人、反対派が十二人になり、予算を三度も否決される事態になりました。
そういうなかで岩国市民かがんばってきたのは、六十数年間、基地の騒音をがまんしてきたのに、こんどは厚木基地の艦載機部隊を移転させ、なんと二倍の機数、極東最大の米軍基地になることが許せないからです。岩国市民はこれまで、爆音被害の解消と墜落の危険をなくすために、滑走路の沖合移設を要望してきました。私たちは、基地の拡大・強化になると反対しましたけれども、市民は沖合移設で爆音が小さくなる、危険が遠のくことを期待したのです。それかだまされたという怒りがあります。
同時に、住宅開発が破たんした市内の愛宕山に米軍住宅を建てようという計画が持ち上かってさらに怒りを広げています。
それから、空母艦載機を受け入れないといった井原氏に対して、国はこれまで約束していた市庁舎の建設補助金をカットするという暴挙にでました。こんなやり方は許せないとみんな怒って、〇七年十二月一日に岩国市の錦帯橋で1万人集会を開きました。
だから、だんだんみんな民主主義について鍛えられてきて、なにかあると「さあ行こう」という感じになっています。
赤嶺 米軍再編は一四年までに沖縄に新基地を完成させ、岩国への空母艦載機移転を完了する計画ですが、それまでにわれわれが反撃するチャンスはいくらもあるんですね。
たとえば新基地建設のための環境アセスメント(影響評価)で、沖縄県に設置された環境影響評価審査会、これは環境の専門家の集まりですが、政府が調査を半年に短縮して一四年に間に合わせようとしたのをつぶして、ジュコンの生息状況を調査するには一年でも足りない、複数年の調査か必要だという結論をだしました。それから埋め立てには、沖縄県全体で使っている一年分の砂の量か使われる。海の砂をとると漁場が破壊される。環境を無視した基地建設たということが専門家の審査のなかで明らかになり、調査か来年まで延びたのです。
身近な問題
小泉 いまお話があったように、全国でほんとうに戦後かつてない基地闘争がたたかわれています。日米両政府は、今度の米軍再編は朝鮮戦争以来の大改革たといっていますが、反対運動も、非常に大きな運動が展開されているのが特徴たと思います。
なぜねばり強いたたかいがすすんでいるかというと、一つは、戦後六十三年間ずっと米軍基地が置かれてがまんを強いられてきたのに、さらに強化される。これ以上の強化はごめんだ、爆音被害はごめんだという世論が非常に強いこと。二つ目は、そういうなかで市長や保守系の方々を大きく巻き込んだ共同闘争がすすんでいるからだと思うんですよね。7・13大集会にも多くの市長がメッセージを寄せています。
鴨居 戦争とか軍隊というのが身近になり、市民が危険を肌身で感じられるようになっています。座間基地も昨年十二月に米陸軍第一軍団司令部が発足して、基地を見に行くと、装甲車両か並んでいて、銃を持って訓練しているのが県道から見えて、どんどん強化されています。原子力潜水艦ヒューストンの放射能漏れ事故も、米軍はずっと黙っていて、今ごろになって出してきました。たいへん不安になります。
赤嶺 放射能漏れは、安全性の検証を日本政府がやるつもりはまったくない。米軍が「安全だ」といっているから安全だというたけてす。二年前から垂れ流していて安全だなんていえません。
2008年8月23日「しんぶん赤旗」
米軍再編・基地強化 広がる反対運動<座談会>B
議員が有志の会
大西 岩国市の運動は、超党派で広がっているのが特徴です。六月に開かれた「米軍再編反対沖縄・神奈川・岩国連帯シンポジウム・in岩国」もいろんな団体が集まって実行委員会をつくって成功しました。これは「空母艦載機移転に反対し岩国の発展を願う議員有志の会」が中心となって提起したものです。
議員有志の会は現在十一人で、岩国市議が九人、県議二人。そのうち日本共産党は市議四人、県議一人で五人です。井原前市長の意向をくむ議員の意見も尊重して、協調してとりくんでいます。代表の重岡邦昭さんは、再編計画の期限である二〇一四年まで責任を持って議員有志の会で反対を言い続けよう、とがんばっています。議員有志の会がよびかけてやると、超党派で参加できるんです。そこに値打ちがあると思います。
日米政府に脅威
赤嶺 沖縄の県議会は超党派の合意をつくることに成功したら、党派をこえた大規模な県民大会を開く力を持っています。
私たち党派超えた力に発展は、次は基地問題でそれをやりたい。基地の県内たらい回しが今、自公とわれわれとの対決軸になっていますけれども、ねばり強くたたかって、一九九五年の少女暴行事件のときや、昨年の教科書問題のような大規模な県民集会を展望できる、非常に大きな変化を県議会がつくったという感じですね。
辺野古への新基地建設では、この十年、日米間で合意した案が四回も変わりました。九五年の少女暴行事件のときの超党派の県民規模での団結は日米両政府への「脅威」だったのです。そのあとのSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で、危険な普天間飛行場を沖合に移す、これで安全になるといったんです。
ところが九七年の名護市の住民投票でノーの審判が下りました。そのあと県知事が代わりまして、民間との共用空港を沖合につくるといった。しかしこれも破綻(はたん)し、沿岸案が出てまた破綻して、V字案となった。沖合からだんだん陸地に近づいてきているわけですよ。県民を分断するためのSACO合意が、基地容認勢力を追い詰めていくたたかいのきっかけになって四回もの変更になったのです。
「容認」といえず
小泉 座間市は、保守の星野勝司市長ががんばっていましたが、このあいだ米軍基地強化に反対する連絡協議会を解散しました。事実上の「容認合意」ですが、市長ははっきり「容認する」とは言えないで、政府と協議の場を設けることを合意しただけだという。「ミサイルを撃ち込まれても阻止する」と言っていた態度からみると、変わったのは明らかですが、市民の強い反対があるので容認と言えないところが苦しいところですね。
国の汚いやり方
鴨居 そういうことですが、この四年間の市長を先頭にした基地強化反対の運動は本当に盛り上がったと思います。市民過半数の六万人以上の署名が集まっています。
保守系の市長でもそうなったのは、戦後、土地を無理やり取られてずっと苦しんできた、基地はないほうがいいのに、また強化されるのは乙めんだということです。私たちが市長に要請に行くと、市長はこの四年間、基地の負担軽減策を出してほしいと外務省や防衛省に何十回と申し入れたのに、まったく応えてくれないと怒っていました。私は、四年前も市長選に出たのですが、私を応援してくれる人もたくさんいましたが、「そんなこと言ったって変わりっこない」という感じもありました。
だけどこの間、市民がすごく変わってきて、昨年十二月、ことし三月と座間市で集会を開きましたが、よびかけにも応えてくれるし、反応がぜんぜん違います。私たちがデモをしていても「がんばってください」「ありがとうございます」という反応があって、手ごたえを感じます。市長の態度は変わりましたが、基地強化反対という市民の気持ちは変わっていないのです。
連絡協議会はたった二時間の総会で解散を決めましたが、市民の意見を間いていたら絶対にこうならなかったと思います。市民のなかには、星野市長は何でがんばれなかったのかという思いがありますが、私はむしろ、国のやり方の汚さを感じます。これから、培ってきた市民の声や基地をなくしたいという気持ちにしっかり根ざして運動を発展させていきたいと思っています。
2008年8月25日「しんぶん赤旗」
米軍再編・基地強化 広がる反対運動<座談会>C
再編交付金矛盾広げる
強化3つの計画
小泉 沖縄と岩国と神奈川は、米軍再編計画の中心です。米軍再編には主に三つの計画があります。一つは米軍基地の強化です。国はこれがゆきづまっているので”札束の力”で押し切ろうとしていますが、逆に住民との矛盾を広げています。
二つ目は、米軍と一体となった自衛隊基地の強化です。私も全国各地を回っていますが、自衛隊基地に突然、米軍がやってくる。鹿児島県の鹿屋基地に行ったとき、市議会の副議長に会ったら、「血塗られた海兵隊が自衛隊基地に来るなんて絶対に許せない」と強調していました。全国的にかつてない基地反対運動がすすんでいる理由だと思いました。
三つ目は、民間の港湾や空港が米軍基地化されている。だからいつ自分たちのところにそれらの基地がくるかわからないという、非常に不安な状況があります。
でたらめな宣伝
大西 岩国の井原前市長が「辞職するから予算を通してください」と表明して、二月に市長選がたたかわれました。相手の福田良彦氏は、国丸抱えという感じの選挙でした。井原市長のもとでは「病院はなくなる」「給食費が高くなる」などとでたらめな宣伝をやりました。国は、福田氏が当選したとたんに三十五億円の市庁舎建設補助金を出すと態度を一変させました。二〇〇七年度分の再編交付金の四億円もすぐ出しますとなった。
だけど福田市長は選挙の結果、米軍再編に「理解は示す」と言うだけで、「容認か、反対か」は答えません。
小泉 言えない。
赤嶺 沖縄とも座間とも同じだね。
大西 容認派の市長になったといっても、市民感情からはっきり「容認します」と言えないのです。
小泉 八月三日に超低空飛行訓練の問題で徳島に行ってきましたが、岩国基地に嘉手納基地から飛んできている米空軍特殊作戦機が、岩国から愛媛の八幡浜を通過して、高知を抜け、徳島県から兵庫県に行き、続いて岡山県に行って、広島県庄原市を通過して岩国基地に行ったと。住民の安全を無視したむちゃくちゃな訓練がやられています。だから基地被害がどこでも起こり、多くの国民が「これはおかしいそ」と感じ始めていますよね。
団結分断の政策
赤嶺 住民の怒りが盛り上がると、団結を分断する「アメとムチ」の政策で襲いかかってくるのが政府の常とう手段です。沖縄で県民を分断しているのが、米軍再編で沖縄から海兵隊を八千人削減しグアムにもっていきますよ、嘉手納基地以南の米軍基地をすべて返還しますよ、こんないい話はないという宣伝です。米軍再編の交付金もでると。自民党や公明党は米軍再編で沖縄の基地問題は解決したというんですよ。
しかし、矛盾は深まっています。七月に、沖縄の大学人と沖縄本島中部の市町村長のシンポジウムがありました。ここで出たのは、嘉手納以南の土地を返還するというが、いままで返還した土壌から汚染物質がたくさんでてきた、そんな土地をそのまま返すのかということです。米軍再編に賛成している町長も来て「それは大変なことじゃないか」という話になりました。
海兵隊のグアム移転だって、沖縄から八千人がいなくなるのではなく、グアムにも海兵隊の拠点基地を設けるということです。
シンポに、米軍再編に「歓迎」発言をした嘉手納町長が来ていました。嘉手納基地からF15戦闘機が移転して騒音が減るのは町民にとっていいことだ、それだけ極限状態だということでしたが、シンポで町長は「歓迎を表明したのは間違いだった。騒音の負担は減るどころか増えている」といいました。だいたい年間七万回、八万回の騒音がわずかばかり減っても事態は変わりません。統計でも爆音回数は増えています。
小泉 自治体として反対せざるをえない状況があるんですね。これを“札束の力”で巻き返そうというのが日米両政府のやり方です。しかし住民の立場からすれば、札束で解決する問題ではない。沖縄でも何度もそういうことがありましたが、現実には県民との矛盾は深まる一方です。年間百億円、十年間で一千億円を投入しても、くらしはいっこうに改善されていないという事実を訴えていく必要があると感じますね。
巻き返しがあっても民意に変化がないのは、みなさんの話のとおりで、国民のたたかいが発展する条件が出ていると思います。
赤嶺 米軍再編交付金は、新たな矛盾を引き起こしています。名護市に基地をつくるとき、政府は十年間で一千億円を振興策として交付するといいました。それがすすまないので、こんどは米軍再編の受け入れ度合いで交付方式を変えるという「アメとムチ」になった。ゆきづまりの反映ですが、いずれ破たんすると思います。
知らせる重要性
鴨居 座間市長が国との協議の場をつくって市の連絡協議会を解散したことで、市民の声を聞くと「お金がもらえたからよかったじゃない」という声も確かにありますが、座間市の再編交付金は少ない額で、お金で安全や平和を売り渡すわけにはいかない、こういう被害があると話し合うと、「本当にそうよね」となります。お金が独り歩きしないように、よく知らせていくことが大事ですよね。
2008年8月26日「しんぶん赤旗」
米軍再編・基地強化 広がる反対運動<座談会>D
くらしと結んだ運動に
小泉 米軍再編・基地強化反対闘争の今後の展望としては、全国どこでも基地強化がおこなわれていますから、これまでの共同を広げ、全国の草の根から反対のたたかいを起こす必要があると思います。自衛隊基地の実態、民間港湾への米軍艦の寄港問題、空港の利用問題などをよく調査し、監視の目を広げる必要がありますね。
撤去が安上がり
赤嶺 宮崎県の新田原基地で、嘉手納基地からの戦闘機訓練移転で大型輸送機を受け入れるため滑走路を強化する案が持ちあがりました。工事の間、補助滑走路を一本つくるという。強化された滑走路ができても補助滑走路は取り除かないと言うんですよ。滑走路が二本になる。防衛省は撤去費用が二億円かかるから置いておくと言う。わが党の地元町議が「新田原基地は台地にあり、大雨が降ったら洪水やがけ崩れをおこして田んぼを破壊する。三十億円の調整ダムをつくらなければいけない」と追及しました。国会で私が「撤去したほうが安あがりじゃないか」と防衛大臣に突きつけたら、びっくりしていました。
米軍再編の問題は、自分たちの田んぼを守れとか、水害から守れという話になるわけですよ。これだけ大がかりに基地が強化されていくと。
小泉 くらしと結んで基地闘争をすすめることは共同を広げるうえで大事ですよね。
六日にわが党の井上哲士参院議員と石川県の小松基地に行きました。米軍と自衛隊が戦闘機の共同訓練をやっていて、米軍機の爆音が大きいんですよ。理由は、自衛隊は燃料の補助タンクを一つしかつけない。米軍は二つつける。迅速に遠くに飛ぶためにツータンクが義務付けられているそうです。それから上昇するときに推力をあげるためにアフターバーナーをたく。それで爆音が大きい。
そういう問題は、全国にあります。墜落の危険もあるし、放射能汚染も深刻です。
赤嶺 米軍嘉手納基地の司令官は、アフターバーナーをたくのは「早く飛んでいって騒音の被害を少なくする」(一同爆笑)と町議会の代表に言ったらしいです。
大西 先日の山口県知事選で二井関成氏が四選しましたが、日本共産党が加わる「みんなの県政をつくる会」から立候補した福江としき氏が岩国で得票を二・〇一倍にしたんです。福江氏は県全体で約三万三千票増やし、二井氏は約五万三千八百票減らしました。
県知事選挙での特徴は、県政与党の民主党から、岩国選出の県議一人が二井氏に反対したことです。そのなかで岩国の議員有志の会は、移転反対派の議員を増やして、議会の力関係を変えたいという思いを強くしています。日本共産党も攻めの行動をしようと議員団で話し合っています。
軍事費の告発を
赤嶺 選挙は非常に大事だと思います。沖縄の県議選で党が議席を伸ばしたあとの変化をみて強く感じます。那覇市長選が十一月にありますが、県都の市長が基地問題にどういう態度をとるかは、大変な重みがあります。来年は那覇市議選、一〇年に名護と沖縄の市長選や県知事選挙がきます。力関係を変える絶好の機会として重視したいと思います。
小泉 米軍再編・基地強化は、大問題になっている福祉切り捨てと結びついています。七十五歳以上のお年寄りに早く死ねといわんばかりの後期高齢者医療制度を導入する一方で、軍事費をどんどん拡大する、グアムへの米海兵隊の移転費はじめ米軍再編の費用として三兆円も使う。「思いやり」予算が米軍に二千八十三億円も投入されている。国民の税金が、国民のくらし、福祉でなくて、軍事費に、米軍に使われている実情をもっと告発する必要があります。そういう国民のくらしと結びつけた運動が大事だと思います。
他団体の人とも
鴨居 座間市長選でも、くらしと軍事費とつなげて基地問題を訴えたいと思っています。市議選も一緒にたたかわれますが、アンケートをとったら、61%が基地反対です。そういう声を生かさなければいけないと思っています。
移転反対の垂れ幕が下ろされた八日にいっせい街頭宣伝をやっていたら、他団体の人が通りかかり、「これからこの駅でやるときは言ってください、私も一緒にやります」と言ってビラをまいてくれました。別の団体の人からも、「鴨居さんを応援したいのでよびかけてください」と電話がありました。全国への影響が大きいのでぜひがんばりたいと思います。
大西 岩国では、愛宕山の米軍住宅建設計画にたいして、地域の自治会長や住民の方たちが七月に「愛宕山を守る会」を立ち上げました。昨年十二月の集会や六月のシンポ実行委員会に加わった人たちも「愛宕山を守る市民連絡協議会」を立ち上げました。
二つの会が共同して八月に二井知事、福田市長に要請にいきました。すごかったですよ。地権者の方は「沖合移設をして爆音がなくなるというので土地を売ったんだ。米軍住宅にするためじゃない」と発言するし、愛宕山神社の関係者は「神社の後ろが米軍住宅になるなんて、神様のばちが当たる」と抗議しました。
市長選は負けたけど、みんなシュンとなんかしていませんよ。
小泉 ありがとうございました。お互いにがんばる決意を固めあって座談会をおわりたいと思います。(おわり)
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