2008年7月2日(水)「しんぶん赤旗」
有明海の開門
共産党が申し入れ
日本共産党の国会議員団は7月1日、「よみがえれ!有明海訴訟」佐賀地裁判決を受け、「潮受け堤防開門の政治決断を」と、若林正俊農林水産大臣に申し入れました。
穀田恵二衆院議員、紙智子、仁比聡平両参院議員は、(1)地裁判決に控訴せず、すみやかに開門を政治決断すること(2)本訴訟原告団・弁護団と直接面会し、有明海再生の展望について協議をおこなうこと(3)開門方法、代替水源の確保方策についての原告団・弁護団の提案を真剣に受けとめ、具体化を指示することの三点を求めました。
三氏は、「地裁判決を重く受け止めるべきだ」「控訴することは大臣が漁民に対し『死ね』と言うことと同じ、という声が上がっている。大臣は漁民、市民の声を直接聞くべきだ」などと訴えました。
応対した中條康朗農村振興局長は、「判決文全体を分析中であり、中身をよく整理した上で、今後どうすべきかを決めていきたい」と話しました。
申し入れには赤嶺政賢衆院議員秘書が同席しました。
| 潮受け堤防「開門」の政治決断を求める申し入れ |
二〇〇八年七月一日 日本共産党国会議員団
六月二七日、「よみがえれ!有明海訴訟」において佐賀地裁は、諫早湾干拓事業による有明海漁業環境の悪化を認め、環境への影響調査のため、潮受け堤防の排水門を三年以内に五年間開放することを命じる判決を下しました。
かつて「宝の海」と呼ばれた有明海の漁業被害は、事業が始まった一九八六年以降顕著になり、九七年四月の潮受け堤防閉め切りを契機に有明海全域に広がりました。漁業者の廃業や自殺が続発し、地域経済全体に深刻な事態を日々広げています。
今回の判決は極めて重い意味をもっています。二〇〇四年に出された佐賀地裁の工事差し止めの仮処分決定はもちろん、その後の高裁、最高裁、公害等調整委員会においても、中長期開門調査が求められてきたにもかかわらず、「政治決断」としてこれを行わず事業をすすめてきた政府に対し、「もはや立証妨害と同視できると言っても過言ではなく、訴訟上の信義則に反するものといわざるを得ない」と断じたのです。
四月から干拓農地での営農がはじまっていることからすれば、政府には、有明海漁業の再生と干拓営農の両立をはかる施策を早急に講じる責任があります。
日本共産党は、政府がすみやかに開門を決断し、三年を待たず一日も早く開門を実現することを強く求めるものです。
そこで、次のとおり申し入れるものです。
記
一 地裁判決に控訴せず、すみやかに開門を政治決断すること。
二 本訴訟原告団・弁護団と直接面会し、有明海再生の展望について協議をおこなうこと。
三 開門方法、代替水源の確保方策についての原告団・弁護団の提案を真剣に受けとめ、具体化を指示すること。
農林水産大臣 若林正俊殿 |
佐賀県議会が開門を要求
農水相に早期調査促す
「よみがえれ!有明海訴訟」佐賀地裁判決が国に対し、潮受け堤防の排水門を三年以内に開門し、五年間にわたって開門調査を継続することを命じた問題で、佐賀県議会は7月1日、中・長期開門調査を早期に実施するよう若林正俊農林水産大臣に要請しました。
農水省を訪れたのは、佐賀県議会の正、副議長をはじめ超党派の県議十三人。
潮受け堤防の閉め切りと湾内及び湾内周辺の環境悪化の因果関係を認めたうえ、開門調査の実施を拒んでいる国の姿勢を「立証妨害」とした判決に触れ、「有明海をよみがえらせるため、常時開門することが沿岸漁業者の願い」だとして、中・長期の開門調査の早期実施を強く要請しました。
日本共産党の武藤明美県議は「漁民の自殺が増えている。国は控訴しないで、一刻も早く門を開けてほしい」と訴えました。
若林農水相は今後の対応について、「関係組織と協議しながら進めていきたい」と述べるにとどまりました。
武藤県議は、「意見書やファクスなど、全国から(農水省に)声が寄せられれば、流れを変えることができると思う」と感想を述べました。
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